2018/11/05
リハビリマシンを長く使用していると、さまざまな場面で不具合や不調が出てきますよね。
「リハビリマシンが突然動かなくなった」
「マシンの稼働音が急に大きくなった」
「稼働中にマシンから“きしみ音”がし始めた」
一般的によくある不具合や不調といえば、こんな感じでしょうか?
3~5年程度の長期使用に耐えられるように設計してあるタートルジムシリーズも、使用頻度や使用の仕方によっては、稼働部分が油切れを起こしたり、ネジが緩んできたりする場合があります。
今回はご自分で確認・対応できる簡単な『リハビリマシン トラブルシューティング』をご紹介。お使いのリハビリマシンが「あれ?故障かな!?」と思ったときは、ぜひ参考にしてください!
[よくある電源トラブルの症状]
●電源が入らない
●電源ランプが点灯しない
まずは「電源が入らない」場合。
初歩的ですが、電源コードがキチンと差し込まれているか確認してください。
◎コンセントに電源コードがしっかりと刺さっているか?
◎連結ケーブルでつないでいる場合は、連結ケーブルに抜けがないか?
まずはこの2点をしっかりチェックしましょう。
電源コードに問題がないと確認できたら、次はヒューズをチェックしてください。
◎ヒューズが破損していないか?
ヒューズは通常、電源ボックスについています。(上写真①)
タートルジムシリーズの場合、写真①の赤丸部分にヒューズが入っています。ちなみに2018年より以前のモデルは、外側から1つのヒューズにしかアクセスできませんのでご注意を。
その他、電源ランプが点灯しない場合は、以下を確認してみましょう。
◎基板に刺さっているコネクタが外れかかっていないか?
◎LED電球が破損していないか?
ランプが点灯しない場合、電源を入れた状態で一度軽く動かしてみて、ランプの破損をチェックしてください。
モーターも、リハビリマシンのトラブル原因~故障につながりやすい部位のひとつです。
注意点は“使用頻度”で、これにより寿命も変わると覚えておきましょう。
リハビリマシンを頻繁に使用される施設様の場合、1年半程度でモーター(写真②)の寿命を迎えることも珍しくありません。
モーターが不調になると、まず“音”が変化します。
音が大きくなるとともに、動作にあわせて「シャー」という音が鳴り始めます。
タートルジムシリーズ製品のモーターは、『DCモーター』を採用しています。
回転体にカーボンブラシが接触するタイプのモーターで、このカーボンブラシが減ってくると音が鳴る、速度が遅くなるといった症状が現れ、そのまま使い続けると発熱することもあるため大変危険です。
タートルジムシリーズ製品をお使いのお客様で「モーターの動きが遅くなった」という場合は、モーターもしくは黒いトランス(写真③)を触って温度を確認してください。
触れると熱いと感じる場合(約60度)は、モーターの交換時期と判断します。
このタイミングを逃しそのまま使い続けると、やがて発熱し、トランスが変形する可能性もあるので注意してください。
また、こういった場合は迷わずメーカーや代理店へご連絡を。もちろん、タートルジム製品をお使いのお客様は弊社(0120-880-497)までご連絡ください!
【よくある音鳴りの症状】
●可動部分からの音鳴り
●固定部の緩みによる音鳴り
●アクチュエーターからの音鳴り
リハビリマシンを使用していると、可動部分から音が鳴り出すこともあります。
可動部分には潤滑油としてグリスを注入していますが、長く使用しているとこのグリス自体が硬くなり固着し抵抗材料となる場合や、グリスそのものがなくなってしまい、金属同士がこすれあい音が鳴り始めることで故障につながる場合があります。
この場合、浸透潤滑系のスプレー『CRC556』や『ワコーズラスペネ』などを使用し潤滑することで音を消す、または少なくすることができます。注油する箇所は写真④⑤を参考にしてください。
注油するとグリスが溶けてしまうため、定期的にオイルを注す必要があります。
1か月に1回を目安に注油し、点検の際は専門スタッフによるグリスアップを受けると良いでしょう。
タートルジム製品のようなリハビリマシンだけでなく、運動器具は総じて使い続けると可動部分が緩んできます。これは、稼働時の振動や回転の力が加わることによるためです。
機器に目立ったガタツキがなくても、ネジがキチンと閉まっているかを定期的にチェックすることで、大きな故障を未然に防ぐことができます。
各タートルジム製品のうち、可動により“緩みやすいネジの部分”を上記写真でご紹介しています。
写真⑥⑦はレッグカール製品。レッグカールは膝の曲げ伸ばしトレーニングに特化したマシンです。写真で示した箇所が足の上下運動に応じて常に可動するため、このネジが緩みやすいのが特徴です。ここを重点的にチェックしてください。
写真⑧はチェストプレス製品です。腕まわりを中心とした上半身の筋肉を鍛えるため、アーム部分の固定が緩みやすくなります。⑧のアーム固定ボルト4か所の状態を定期的にチェックしましょう。
写真⑨はツイスター製品のアーム固定部分。写真⑧のチェストプレス同様、こちらもアームの固定ボルトを確認します。
写真⑩はツイスター製品・ヒップアダクション製品に共通しているボックス取り付け部です。この部分のネジの緩みを定期的にチェックします。
リハビリマシンは日々の使用で少しずつ消耗していきますが、定期的なメンテナンスをしっかり行うことで、大きな故障や事故を防ぐことができますし、結果、マシン自体の寿命も延ばすことにもつながります。
そのうえで、「普段と違う音がしないか?」「いつもと比べて動きがおかしくないか?」といった変化にも注目してみましょう。
リハビリマシンは高価な製品です。
だからこそコンディションの良い状態を少しでも長く保ちながら、使用してほしい。私たちメーカーもそう願っています。
ではまた!
記事執筆:江崎 健太郎
代替医療・予防医療機器の販売メーカー、江崎器械株式会社 代表取締役
2019年より、WCEM(WORLD CONFERENCE ON EXERCISE MEDICINE:世界運動療法学会)外部委員を務める。
EXERCISE & AGEING分野のスピーカーとして講演を行なう。
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