2026/09/18

リハビリや機能訓練に対して、「辛い」「痛い」「元に戻すための我慢の時間」といったネガティブなイメージを持たれている利用者様は少なくありません。いかにして前向きに運動に取り組んでいただくかは、デイサービスや施設運営において大きな課題の一つです。
そんな中、最近の日経新聞の医療コラムでも「攻めのリハビリ」という考え方が紹介され、話題を呼びました。 これは、ある国民的ヒーローである元プロ野球選手が、大病から懸命なリハビリで復帰した際に実践して注目されたアプローチです。一般的なリハビリが「マイナスの状態を少しでもゼロに近づける」ことを目的としがちなのに対し、「攻めのリハビリ」では、マヒしていない健康な側を徹底的に鍛え上げます。単なる機能回復ではなく、残された機能を最大限に引き上げるという「攻め」の姿勢こそが、奇跡的な回復の原動力になったと言われています。
この「攻めのリハビリ」の根底にある前向きなマインドは、すべての利用者様に持っていただきたいものです。しかし、最新の医療研究によると、75歳を超えると筋力は低下するだけでなく、筋肉内に「難溶性たんぱく質」という、いわば“体内のサビ”のような老廃物が蓄積しやすくなることが分かっています。これが筋肉を細く硬くし、身体機能を奪う大きな原因です。
栄養や薬では落とせないこの厄介なサビですが、最新の科学がその解決策を提示しています。デンマーク・コペンハーゲン大学の研究グループが発表した論文(Autophagy-Dependent Beneficial Effects of Exercise)などでも示されている通り、筋力トレーニングによって筋肉を「収縮・弛緩」させることで、細胞内の『オートファジー(自浄作用)』が活性化し、蓄積した古いタンパク質が分解・除去されることが分かっています。
つまり、高齢者にとっての筋トレは、単に筋肉を太くするだけではなく、体内の老廃物を排出する「細胞レベルの大掃除」として、活力を取り戻すために絶対に不可欠なプロセスなのです。
この「細胞レベルの大掃除」を起こすためには、筋肉をしっかり動かす必要があります。しかし、体力に不安のある高齢者がいきなりハードなトレーニングを行うのは、関節を痛めるリスクが高く現実的ではありません。
とはいえ、段階を踏んでいけば、高齢者であっても「攻めの姿勢」で身体を鍛えることは十分に可能です。リハビリや筋トレで失敗してしまう最大の原因は、いきなり「山頂の景色」をイメージし、無理をしてしまうことにあります。どんなに身体を鍛え抜いている人でも、最初は1合目からスタートし、コツコツとトレーニングを積み重ねた結果、山頂にたどり着いているのです。
運動のスタートラインに立ち、継続していくことにはハードルがあります。だからこそ最も大事なのは、「負荷をしっかりコントロールし、その人にとっての最適な負荷(最適負荷)で取り組むこと」なのです。
そこで私たちが注目し、世界的なスポーツ医学の権威であるACSM(アメリカスポーツ医学会)も提唱しているのが、「完璧よりも継続」という考え方です。 1回の完璧でハードなトレーニングよりも、1合目からご自身のペースで安全に「休まず長く続けること」こそが、確実な身体機能の向上につながります。施設が提供すべきは「攻めのマインド」を持たせつつ、「常にその人にとっての最適負荷を提供できる、安全な環境」を用意することです。
この要素を完璧なバランスで実現できるのが、タートルジムです。 一般的なリハビリマシンのような重いウエイト(おもり)を使わず、利用者様の力に合わせて負荷が自然に変わる特殊な設計(等速性運動)を採用しています。これはつまり、「常にその人にとっての最適負荷が自動でかかる」ということです。
ウエイトの落下による危険や反動がないため、高齢者でも安全かつ効果的に筋肉の「収縮と弛緩」を繰り返すことができ、コペンハーゲン大学などの研究が示す『オートファジー(自浄作用)』を促す環境づくりに大きく貢献します。
筋肉や関節を痛めるリスクが極めて低いため、利用者様は「自分にもできた!もっとやってみよう」という前向きな「攻め」の気持ちを維持したまま、安全に1合目からの歩みを継続することができます。
「95歳まで介護なし(ピンピンキラリ)」を目指す最先端の医療現場でも、高齢期の安全な筋力トレーニングの重要性が叫ばれています。
失われたものを嘆くのではなく、これからの人生を豊かにするための「攻め」の時間へ。利用者様の意識を変え、施設全体の活気を生み出すために、誰もが最適負荷でムリなく継続できるタートルジムのマシンを活用してみてはいかがでしょうか。
弊社には、デイサービス等の施設運営やリハビリの現場に精通した経験豊富なスタッフが在籍しております。 「うちの施設にはどのマシンが合う?」「利用者様の継続率を上げるには?」など、マシン導入の枠を超えた施設づくりのご相談から承りますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
【参考出典】
Jens Frey Halling, Henriette Pilegaard.
"Autophagy-Dependent Beneficial Effects of Exercise" Cold Spring
Harbor Perspectives in Medicine, 2017.
記事執筆:江崎 健太郎
代替医療・予防医療機器の販売メーカー、江崎器械株式会社 代表取締役
2019年より、WCEM(WORLD CONFERENCE ON EXERCISE MEDICINE:世界運動療法学会)外部委員を務める。
EXERCISE & AGEING分野のスピーカーとして講演を行なう。
