2019/05/09

筋収縮の状態別にみる、高齢者に適した筋力増強運動のタイプとは?
その他

「筋肉は裏切らない」。
2018年流行語大賞にもノミネートされたこの言葉。NHK『みんなで筋肉体操』から火がつき、一躍ブームになりましたね。
もともとこの言葉、ボディビル界隈では昔から言われていた“あるあるワード”。ひと昔前はマニアックな趣味だった筋トレが一気にブレイクし、幅広い層に浸透した印象です。

ところでそんな筋トレブームの中、このブログを読んでいただいている皆さんがキチンと押さえておきたいのが、筋トレの原理ともいえる『筋収縮』のメカニズムと、その種類。
高齢者ならではの身体特徴をふまえ最適な筋トレを行えるかどうかは、施設側の運動プログラムによるところが大きく、そのプログラムは施設特性によるリハビリマシンの種類・タイプと密接に関係しているはずです。

今回は、筋トレの原理となる『筋収縮の種類』についてご紹介しながら、高齢者のリハビリに適した筋収縮の種類について改めて考えてみます。

筋収縮は状態により3種類ある!

筋収縮はその状態によって、以下3つに分かれます。

■アイソメトリック(等尺性筋収縮)
■アイソトニック(等張性筋収縮)
■アイソキネティック(等速性筋収縮)


トレーニングといえば、おもりを使うアイソトニック(等張性筋収縮)をイメージされる方が多いかもしれませんが、最近は、タートルジム製品の運動にも応用しているアイソキネティック(等速性筋収縮)が徐々に注目を集めています。

歴史的にみても日が浅いアイソキネティック(等速性筋収縮)について知るには、まず、アイソメトリック(等尺性筋収縮)とアイソトニック(等張性筋収縮)を理解すると良いでしょう。

以下、それぞれ説明します。

アイソメトリック(等尺性筋収縮)

アイソメトリックは簡単にいえば、「関節が動かないけど筋肉が収縮している状態」をいいます。
例えば、絶対に動かない壁を押したとします。この場合、壁は動かないため関節は動きませんが、力は入っています。この筋収縮を『アイソメトリック(等尺性筋収縮)』といいます。

アイソメトリック(等尺性筋収縮)の利点は、専用の器具・マシンを必要としない点です。

しかし、「人間の体は環境に適応することで筋肥大が起こる」ことは、以前のブログでもお伝えしたとおり。本来、筋肉は“関節を動かすこと”が目的のため、効果的ではないと考えられています。



【アイソメトリックのポイントをおさらい!】
<メリット>

●専用の器具・マシンを必要としないため、どこでも簡単に行える
●本人が出す力以上の負荷がないため、安全に取り組める

<デメリット>
●関節が動かないため、その意味では効果的でない

アイソトニック(等張性筋収縮)

アイソトニック(等張性筋収縮)は、 『張力=質量』と考えるとわかりやすいです。

例えば50kgの重りを背負ってスクワットをすると、大腿四頭筋にかかる負荷は両側で25kgと一定です。質量は一定なので、速度を可変することで当然、負荷が変わります。

コンセントリック・コントラクション(短縮性筋収縮)の場合、速度が早ければ早いほどパワーが上がります。
一方、エキセントリック・コントラクション(伸張性筋収縮)の場合、早くやれば(実際には重力に合わせて自然落下させれば)パワーは下がります。ゆえに、力が抜けない程度にゆっくりと下げると筋肉に負荷がかかった状態を維持できます。筋肥大という観点からは、最も効果的なトレーニングと言えるでしょう。

しかし、フリーウェイトで行う場合、熟練者でないと怪我のリスクが高いのが難点です。また、関節の角度により負荷が変動する、というデメリットも事前に加味しておく必要があります。

加えて、アイソトニック(等張性筋収縮)をマックスパワーに近い状態で行うには、出来る限り早く動かせる重い負荷を使う必要があります。
しかし、筋肉が伸びきった状態からコンセントリック・コントラクション(短縮性筋収縮)を行う場合、力が出にくく、また関節が伸びきった状態では力が一番強くなります。
アイソトニック(等張性筋収縮)で効果的なトレーニングを行う場合、この特性を理解した指導者、およびマシンを使用することがポイントになります。



【アイソトニックのポイントをおさらい!】
<メリット>

●速度の速いトレーニング、遅いトレーニング、いずれも可能
●短縮性・伸張性、いずれのトレーニングも可能

<デメリット>
●熟練者でないとケガのリスクが高い
●しっかりと負荷をかけ安全にトレーニングするには、専用のマシンが必要
●関節の角度により負荷が変動する

アイソキネティック(等速性筋収縮)

最後にタートルジム製品でも採用しているアイソキネティックについて説明します。

アイソキネティックの概念が生まれたのは1960年代、ニューヨーク大学のローマン教授を中心に電器メーカーTechnicon社と共同で開発した『Cybex Machine』が初といわれています。

当時のマシンはアームを機械でコントロールし、力いっぱい押しても、弱く押しても一定の速度で動かない(加速できない)ように制御し、スピードも自由に変えられるものだったそう。「日常生活では成しえない運動を作り出すことに成功した」と、当時は話題になったようです。
しかし、効果的な運動を実現できるとはいえ、機器の構造が複雑なうえ大変高価だったため、気軽に導入されず、日の目を見るには長い年月を要しました。


アイソキネティックは、等尺性と等張性のハイブリッドタイプ!?
アイソキネティック(等速性筋収縮運動)は、関節の位置に関係なく力を発揮できるため(=筋肉が伸びきった状態だと力を出しにくく、縮まると強い特性を無視できる)、アイソメトリックとアイソトニックのハイブリッドと表現されることもあります。

アイソトニック(等張性筋収縮)の場合、初動の負荷が軽いため、終動の負荷を重くする可変抵抗にしなければ、最大負荷を維持した効果的なエクササイズを行うことはできません。しかし、アイソキネティック(等速性筋収縮)運動では『すべての可動域で負荷を一定にしたエクササイズを行うことが可能』です。

しかし、アイソキネティック(等速性筋収縮)にもデメリットはあります。
それは、『動いているものを追い越す速度で動かさなければ負荷がかからない』こと。速度を遅くすることで対応はできますが、トレーニングを受ける人(=トレーニー)の心構えによるところが大きく、トレーニングをさぼろうと思えばさぼることができます。そのため、高齢者施設でアイソキネティック(等速性筋収縮)運動を行う場合、トレーナーが声掛けを行い、トレーニーのモチベーションを保つなどの工夫が必要でしょう。


【アイキネティックのポイントをおさらい!】
<メリット>

●すべての可動域で負荷を一定にしたエクササイズを行うことができる
●低速度・高速度と運動速度を自在に設定できる
●本人が出した力とほぼ同じ抵抗が得られるため、無理のないトレーニングが可能

<デメリット>
●専用の機器・マシンがないと実現しない
●動いているものを追い越す速度で動かさなければ負荷がかからず、効果が得られない

高齢者にとって最適なリハビリを目指して

筋収縮の種類別に、そのメリット・デメリットについてお伝えしました。

どの筋収縮も“筋肉を動かす”ことに変わりはありません。
しかし、筋力が衰えがちな高齢者の関節を動かし可動域を広げる、という観点ではアイソトニック(等張性筋収縮)、アイソキネティック(等速性筋収縮)が適切と考えます。
どちらの筋収縮も一長一短ありますが、それぞれの特性をうまく組み合わせることで、高齢者に最適なリハビリメニューを組み立てることができます。

また、施設にとっては安全面や介助の負担も、リハビリメニューにおける課題といえるはず。高齢者が自身の力に応じて無理なく取り組めるメニューか、そのメニューに寄り添うスタッフ側の負担はどの程度かも併せて確認・検討しながら、リハビリメニューを見直してみましょう。

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